松山英樹のメジャー4大会。
ウッズ流に言えば「素晴らしい1年」だった

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 前週の世界選手権シリーズ(WGC)ブリヂストン招待で優勝。最終日には「61」という圧巻のスコアをマークして、ショットは昇り調子にあった。そして、首位と1打差の2位で迎えた最終日、バックナインに入ったときには単独トップに立っていた。

 だが、ここで思いも寄らぬ重圧が松山を襲った。「日本ツアーを、アマチュアでやっていたときのような緊張だった」という。

 思えばメジャー大会において、これほど優勝を間近に意識する争いに加わったのは初めてかもしれない。そこでの重圧は、松山の想定をはるかに超えていたのだ。

 結果、松山は自滅に近い形で失速。最終的には"宿敵"であるジャスティン・トーマス(24歳/アメリカ)に敗れた。

 ラウンド後、猛烈な暑さの中で、松山は汗と涙を何度も何度も拭った。その挙句、松山は座り込んで涙を流した。そんな姿を見るのは初めてだった。

「このぎりぎりのところでやれるのは楽しいですし、そこで勝てればなおさら楽しいと思う。これを次に生かしていきたいけれど、(今は)何をすれば勝てるのか、わからないです......。また、一生懸命練習したいと思う」

 松山は最後に、そう声を絞り出した。

 こうしてメジャー4大会を振り返ってみると、松山にとって、なんと大きな1年だったことだろうと思う。これが、次に生かされないわけがない。

 今年のメジャーは終わったが、来年もメジャー大会はある。まずは、来年4月のマスターズ。今から、7カ月半後の舞台が楽しみでならない。

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