【木村和久連載】ゴルフ人口が減るなか、レッスンプロが生き残る道は?

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第117回

 最近、ゴルフのレッスン業界で大きな事件が起きました。「ゴルフスタジアム問題」というのですが、簡単に言えば、金銭トラブルです。

 事の発端は、『ゴルフスタジアム』という会社がたくさんのレッスンプロに対して、会社側が請け負うホームページの制作と、同時にスイング診断ソフトの購入を数百万円で持ちかけます。ただし、そのお金は「ホームページのバナー広告でペイできるので、実質無料になる」と。

 これはいい話だと、レッスンプロのみなさんは飛びついたのですが、実際には思っていたほど広告収入が伸びず、ゴルフスタジアム側が「資金繰りの悪化」を理由にして広告料の支払いをストップ(7月21日に破産手続開始決定)。レッスンプロの方々には、機器購入のローンだけが残ってしまったのです。

 およそ1000人のレッスンプロが被害を受けて、その損害は総額50億円とも言われています。このレッスン業界の闇とも言える事件を鑑みて、レッスンプロの実態と、今後について考えてみたいと思います。

 俗にレッスンプロと言われている方々は、正式にはPGA(日本プロゴルフ協会)が認定したティーチングプロという扱いになり、全国に4000人以上はいると言われています。

 ティーチングプロはPGAが定める実技と筆記試験に合格して、初めてなれる狭き門です。実技にしても、そこら辺のシングルさんよりはるかに難しいレベルで、おおよそグロス「78」以下で2ラウンドをこなさなければなりません。しかも、それをクリアした上位100人程度に絞られ、いくらシングルとはいえ、ハンデ「5」以下ぐらいじゃないと通過できません。

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