「世界トップの気圧」で戦う松山英樹。圧巻Vはメジャー制覇の吉兆か (3ページ目)

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 松山は当初、そういう中での居心地が悪かったのだろう。なかなか馴染めないでいた。例えば、今春のマスターズの頃が顕著だったが、世界ランキング5位以内に入って周囲からの注目度も増して、どこかピリピリしていた。変に自分が変わってしまうというか、自分が自分でなくなっていた。マスコミ対応をはじめ、自分の動き方、トーナメントへの入り方など、いろいろなものがギクシャクしていた。

 それがおよそ半年経って、ようやく世界トップの"気圧"、つまり自らの置かれた位置に馴染んできたなと、今回の松山を見て思った。例えるなら、標高3000m、4000mといった気圧の状態の中でも、普通でいられるようになった。普通の選手なら、そんな気圧の中では戦えないんだけど、松山はそこでも普段どおりに生活して、自分のゴルフができるようになった。

 そうして、また別の領域に入っていった。その領域にいるのは、ジョーダン・スピースやダスティン・ジョンソン、ロリー・マキロイなんかで、技術も、肉体も、メンタル的な部分も、彼らと同じレベルに達したかな、という印象。いい表現が見つからないけど、単純に言えば"太い"。これまでとはぜんぜん違う"太さ"を、松山から感じることができた」

 まさに、世界の最上段のステージに上がった松山。だとすれば、期待がますます膨らむのは、メジャー制覇である。すぐさま、今季メジャー最終戦となる全米プロ選手権(8月10日~13日/ノースカロライナ州)が開催されるが、そこでチャンスは巡ってくるのだろうか。三田村氏はこう分析する。

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