ツアー初優勝でひと皮むけた青木瀬令奈。
「次は2勝目、そして五輪に」

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 写真●村上庄吾 photo by Murakami Shogo


 ツアーでの優勝は年々難しくなっている。日本の女子ツアーのレベルは高くなり、10代の有力選手は次々と出てくるし、韓国をはじめ、海外からも強い選手が続々と参戦してくる。ただ、青木がプロになった83期生は香妻琴乃ら優秀な選手が多く、いいライバル関係だ。

「私が生まれた92、93年組は当たり年と言われていて、トーナメントに出ているプロも15名ぐらいいて、仲がいいんです。その同窓会があって、勝った人が驕るんですけど、みんな優勝した人に驕られるのが悔しいんですよ。『次は私が驕ってやる』って、みんな心の中で思っています。一緒にいて楽しい存在で、トーナメントで『最終組で一緒に回りたいね。でも、勝つのは私だから』っていう話をいつもしています(笑)」

 青木には信頼できる友人であり、刺激をもらっている存在がいる。成田美寿々である。

「中学3の時に知り合って、この7月で10年目の付き合いになります。プロテストを同じ時期に受けたんですが、彼女は不合格で、QT上位で出場権を取り、翌12年に富士通レディースで優勝。その後、メジャーも勝って7勝している。

 ジュニアの頃からの友人なので、すごく悔しい気持ちがあったんですが、美寿々は『早く私を脅かす存在になってよ』って私のことをずっと待ってくれていた。そういう存在がいてくれたので、私も頑張れた。ヨネックスの時も、まだ優勝が決まっていないのに18番で美寿々が待っていてくれて、そこで1回泣いて、優勝した時は自分が優勝した時にも泣かなかった美寿々が泣いてくれたんです。昨年、美寿々は勝てなかったんですが、今回の私の優勝をキッカケにまた頑張ろうって思ってくれているので、いつかふたりで優勝争いをしたいですね」
 

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