ツアー初優勝でひと皮むけた青木瀬令奈。「次は2勝目、そして五輪に」 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 写真●村上庄吾 photo by Murakami Shogo

「2016年後半の2カ月は、思うようなゴルフができず、苦しかったですね。(賞金ランク上位者だけが出場できるLPGAチャンピオンシップ)リコーカップに2年連続で出場できなかったことも悔しかった。それを踏まえて、2017年はどうすべきかって、2人のコーチとすごく考えました。私はこれまでトレーニングが嫌いだったんですけど、本格的にトレーニングをして、さらにトラックマン(弾道計測器)を購入して軌道を測定し、データとして活用することにしたんです」

 スイングを体の右半分に頼りすぎていたので、左もうまく使えるように左を重点的に鍛えるメニューをこなした。さらに自分の部屋でもできる自重のトレーニングやストレッチもした。1、2月は合宿をみっちりこなし、嫌いだったトレーニングと向き合った。

「トレーニングはしたけど、最初はどうかなって思っていたんです。でも、開幕から2戦目(ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ)の初日に7アンダーというスコアが出て、首位に立った。これでオフにやってきたことが間違っていなかったな、今後につながるなって思いましたね」

 好影響が出たのはゴルフだけではなかった。もともと腰痛持ちだったが、その症状がほとんど出なくなった。昨年シーズンの終盤は歩くのもしんどい状態だったが、疲労を感じることも少なくなった。

「意識改革をして、いろんなことがゴルフにつながったと感じました」

 それがヨネックスの優勝につながっていった。大会は初日が荒天で中止となり、2日間の試合になったが、それでも優勝の味は格別だったという。

「優勝は本当にうれしかったですね。長岡での大会でしたので実家の群馬からも近く、家族の目前で優勝することができて、やっと恩返しできたなって思いました。私は2015年に一度、実家を出たのですが、昨年戻って家族のありがたみを改めて感じましたし、自分の周囲の人たちを大事にすることが自分にもプラスになるとわかったんです。だから勝てたのかなって思いますね。もちろん2015年から積み重ねてきたものが実になっていますが......」

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