【木村和久連載】ゴルフではなぜ、
アドバイスとレッスンが禁止なのか

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 私はユーティリティー派なので、同伴競技者のアイアンの番手はまったく気にしません。しかも、最近のアイアンはロフトが立ち気味です。要は、昔は7番アイアンだったロフトが、今は8番アイアンになっている場合があります。それは、「俺は8番アイアンで150ヤード飛ぶ!」といった、アマチュアゴルファーの自慢したいニーズに応えているだけです。

 ゆえに、人によってアイアンのロフトの個体差が違いすぎるので、比べても参考にならないのです。むしろ、そういう情報を入れないほうが気持ちよくショットが打てます。

 例えばショートホールで、たまたま自分が4番目に打つことになったとしましょう。そして、前の3人がグリーン手前にショートしている――これは、アゲンストの風が強いのかも。ならば、強めに打ったほうがいいってわかりますよね。

 アドバイスで情報を得るよりも、そういう情報把握のほうが有意義です。

 アドバイスはダメですが、独り言であれば、よさそうです。ゴルフ漫画でもよく「このグリーンは予想以上に切れる、なんてね。独り言だから気にしないで」というシーンがありますから。

 でも、これも余計ですね。だいたい、そんな難しいグリーンを攻略できるわけがないでしょ。独り言を信じて、ヤマをかけてパットを打てば外すのがオチです。まあ、こういうときは「全然切れないじゃん!って、これも独り言です」って、言い返せばいいのです。

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