【木村和久連載】「ギョーカイ」の人たちにゴルフが愛されるわけ (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 ゴルフは4人集まればできますし、極端なことを言えば、2人でもOKですからね。しかも、朝からスタートして昼過ぎには終わる。これって、地方でイベントやコンサートをする音楽関係者にとっては、非常に都合がよかったのです。

 音楽関係者で当時一番「うまい」と評判だったのは、松山千春さん。ハンデ2ぐらいとも言われています。そりゃ、北海道在住でしたから、ゴルフ環境は抜群ですよ。

 私も仙台でテレビの仕事をやっていたときは、『青葉城恋唄』で一世を風靡した、歌手のさとう宗幸さんと一緒にラウンドさせてもらいました。噂には聞いていましたが、さすがシングルプレーヤー、うま過ぎ! でした。当時の私は「110の王」でしたから、たぶん足手まといだったでしょうね......。

 そんなわけで、地方公演が多い音楽関係者は、全国各地のいろいろなコースを観光がてらに回って英気を養っていたのです。

 音楽業界で起こったゴルフブームは一気に各業界に広がって、出版界にもすぐに押し寄せてきました。

 まず、飛びついたのは、漫画家の先生方でした。野球をやるより、手っ取り早い。しかもゲーム性があって、ネタになりやすい。みなさん、ゴルフにはまって、こぞって作品にも反映させていきます。

 現役最古参は、なんといっても藤子不二雄Ⓐ先生。現在、朝ドラの『ひよっこ』では、藤子不二雄に憧れた若者ふたりが富山から上京。4畳半のアパートに住んで「目指せ、藤子不二雄」とでっかく壁に書いてがんばっている姿が微笑ましいです。

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