宮里藍、悲願のメジャー制覇なるか。「最後の戦い」がいよいよ始まる (4ページ目)

  • 古屋雅章●取材・文 text by Furuya Masaaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 シャットフェースはインパクトで強い球を生み出す一方で、球がつかまり過ぎて引っかかる危険性を持っている。加えて、引っかかることを嫌って、ダウンスイングでフェースを開いてしまうと、右方向につかまらない球が出ることも多いのだ。

 このシャットフェースのディスアドバンテージを持ちながら、宮里藍が世界一になれたのは、やはりその修正能力が高かったからである。

 思えば2005年、宮里藍が男子ツアーのアジア・ジャパン沖縄オープンに出場したとき、彼女と同じ沖縄県出身の友利勝良プロは、宮里藍の戦いぶりを見てこう評していた。

「(宮里藍は)スタート直後のホールでショットがいくら曲がっていても、次のショットではそれを修正してくる。ラウンド中にその曲がりの原因を察知して、ショットの改善を図ることができる。これは、ショートゲームのうまさに通じることだけど、彼女のメンタルの強さに由来するんです」

 サントリーレディスの2日目は、まさにこの修正能力の高さによって予選通過を果たした。宮里藍が言う。

「(出だしで)少し体の動きが硬いと感じたので、ショットの修正をした。その分、力みにつながっていると判断して、(途中から)できるだけ緩ませて打つ方向にしたんです。それが、6~7割ほどいい方向にいったのでよかったです」

 そうして、日本で"最後"と言われる試合を、宮里藍は26位タイで終えた。試合後、彼女は4日間の戦いをこう振り返った。

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