【木村和久連載】浮気したいあなた、代償行為のゴルフで我慢しませんか (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 私も2度ほどメンバーになりましたが、"隠れ家"に遊びに行くのは、実に気持ちのいいものです。馴染みになったら、支配人に声をかけてもらって、まずは軽く「おはよう」と挨拶。「昨日の『やすらぎの郷()』見た? 川奈のゴルフコースが映ってたね」なんて世間話をかわします。
※倉本聰原案・脚本のシニア向けドラマ。テレビ朝日系列で放送中。

 そうして、ラウンド前にゆとりを持って食堂に行けば、若くて可愛いウエートレスがモーニングコーヒーを運んできてくれます。別に何が起こるわけでもありませんが、日頃、カミさんにせっつかれながら、トーストをインスタントコーヒーで流しこんでいる日常と比べれば、雲泥の差でしょ?

"本拠地"を置くということは、ぶらりと出かけて、どこぞに寄り道してもいい訳が立ちます。マイコースでは、チェックインして「今日は調子が悪いから、練習だけ」と言って、午前中で帰る手もあります。名門コースメンバーのおじいちゃんは、よくこうやってマイコースを練習場として使っています。

 さあ、余った時間は何なりと好きなように。今流行りの出会い系バーに行って、貧困の調査をするのもやぶさかではありません。

 ただ、実際のところ、安くても会員権を買うのは、かなりの決断が必要です。そういう方は、ニュークラブを、ニューボトルを入れるかのように導入してはいかがでしょうか。

 まだ相手の個性を知らない、しかも誰の手垢もついていない、まっさらなクラブを手に入れるのは、非常に気持ちがいいものです。ビニールの包装を破り、「どれどれ、オジさんがたっぷりと調教してあげるから」と、怪しい言葉を投げかけても犯罪にはなりません。綺麗なクラブを、自らの手で汚せるなんて、浮気以上の快感があるかもぉ~......って、そういうことですか。

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