松山英樹、全米OP2位で世界2位。強風を突き抜ける圧巻の逆襲 (3ページ目)

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Koji Aoki/AFLO SPORT

 勝負は、18番パー5だった。イーグルでホールアウトすれば、トップのブルックス・ケプカ(27歳/アメリカ)と並ぶ。そんな状況だった。

 ティーショトは347ヤード地点まで飛び、残りはピンまで305ヤードだった。果敢に2オンを狙ったセカンドショットは、3Wを手にして"マン振り"する。

「風が強かったんで、3ウッドでも芯をくっちゃったら大きいかもしれない。すごいモヤモヤがありました。ちょっと当たりは悪かった......」

 ボールはグリーン横のラフに飛び込み、3打目を1mに寄せて、松山はバーディーフィニッシュ。最終ラウンドのベストスコア「66」をマークし、スコアは通算12アンダーにまで伸ばして4日間の戦いを終えた。

 この時点で首位ケプカとの差は1打。逆転勝利、あるいは翌日に行なわれるプレーオフの可能性も残されていた。

 しかし、日本人初のメジャー制覇という悲願は、そこから非情な展開をたどる。

 松山の猛追を受けたケプカは、重圧に押しつぶされることなく14番から3連続バーディーを決めて、通算16アンダーに。初のメジャータイトルを手にした。

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