松山英樹、全米OP2位で世界2位。強風を突き抜ける圧巻の逆襲 (2ページ目)

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Koji Aoki/AFLO SPORT

 こうした悪条件によって、世界のトッププレーヤーたちが軒並みスコアを崩していく中で、松山だけは別次元のゴルフを展開する。出だしの1番ロングホールでバーディーを奪うと、4番、5番でも上位との差を縮めた。その日のベストスコア「65」を叩き出した2日目のように、ティーショットが安定し、かつ飛距離も出ていた。6番でボギーを叩いたものの、前半を通算8アンダーで折り返す。

「ショットは2日目のよかったフィーリングに近い感じで打てたと思います。早くふた桁(アンダー)まで持っていきたいと思っていて、それが前半に達成できればもっとよかったんですけど......」

 たとえティーショットでフェアウェーを外したり、フェスキューに飛び込んだりしても、アプローチがピンに絡んで、ピンチをしのいでいく。テレビ解説を務めていた青木功氏(日本ゴルフツアー機構会長)は、こう振り返った。

「ほとんどのアプローチが2m前後のところに寄っていた。『それが一番のモチベーションになるから、(結果的にパットが)入った』と本人は言っていたけど、英樹は平衡感覚がすごくいい。だから、入り始めると、ポンポンポンポンと入るんだ」

 16番までに7つのバーディーを奪って、2ボギー。上位陣が崩れるのを待つのではなく、自力で上位との差を縮めていき、優勝の目をたぐり寄せていく。

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