キム・ハヌルの快進撃が止まらない。日本ツアー3年目で爆発した理由 (4ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 そこで、目を向けたのは日本ツアーだった。イ・ボミや申ジエら、かつて韓国ツアーで一緒にプレーしていた同世代が活躍するニュースは、とても気になっていた。

「日本で輝けるチャンスが、私にもあるかもしれない。このまま引退するわけにはいかない」

 再起を期しての一大決心だった。キム・ハヌルは日本での新たなチャレンジを決断すると、2014年に日本のQT()を受けて、見事ツアーの出場権を獲得した。
※クォリファイングトーナメント。ファースト、セカンド、サード、ファイナルという順に行なわれる、ツアーの出場資格を得るためのトーナメント。ファイナルQTで40位前後の成績を収めれば、翌年ツアーの大半は出場できる。

 ただ、「今思えば、日本ツアー参戦の決断は"英断"でした」と、キム・ハヌルは振り返る。実は、「誤解していたことが、ひとつありました」と語る。

「日本に来るとき、ゴルフの実力があれば勝てるものとばかり思っていました。『技術さえあれば勝てるだろう』と安易に考えていたのです。でも、それは私の間違いでした。日本で勝つためには、メンタルも、思考も、変わらないといけない。いくらボールを正確に飛ばせるからといっても、環境に慣れないことには成績が出せないということを痛感し、そのことに気づかされました」

 そして迎えた3年目、大きな成功を収めている理由について、「一番は、環境への適応」と言い切った。

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