スランプあり、世界1位あり。米ツアー12年間を彩る「宮里藍語録」 (4ページ目)

  • 武川玲子●構成 text by Reiko Takekawa
  • photo by Getty Images

「私のような小さい子でも、世界ナンバー1になれるんだ、そう身近に感じてくれればうれしい」

 2010年、ショップライト・クラシックでシーズン4勝目を挙げて、世界ランキング1位の座に就いたときのコメント。先の引退発表会見では、このときがキャリアベストの瞬間だったと振り返っている。

「メジャーって、すごく不思議なもの。勝つタイミングとか、順番がある。だから、自分の順番が回ってくるまで、地道にがんばっていくしかない」

 2013年シーズンを迎えるにあたってのひと言。世界ナンバー1にはなったものの、なかなかメジャー大会を勝てずにいた彼女の、重い、重い言葉だったように思う。結局、現在までメジャータイトルを手にすることなく、引退を表明。それでも残りのシーズン、そのチャンスはゼロではない。


「11年ですよ。(自分だったら)11年、結果も出ずに、周りにいろいろと言われる中で、腐らずにやってこられるかな、と思う。だから、自分がスランプになった4年、その4年間は勝てなかったけど、大したことないなって。神様はちゃんと見ていてくれる」

 2013年12月、兄の優作がプロ入り11年目にしてツアー初優勝。そのときの感想を聞かれて。実は、その日本シリーズJTカップの最終日前夜、沖縄にいた父に応援に来るように進言したのは、彼女だった。父・優さんは「自分が(応援に)行くと勝てない」と言ったらしいが、「そんなの関係ない!」と言って説得したという。

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