【木村和久連載】アップダウンの
あるコースは、お好きですか?

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 西のアウトにも、アップダウンが効いた名物ホールがあります。4番ホールあたりから、えっちらおっちらと地味に上っていく長いホールが続きます。ここら辺は、やっているほうとしてはあまり面白くありません。

 ところが、それを我慢して乗り越えると、6番ホールで高台に出くわします。そこからの眺望はすこぶるよくて、風もさわやか。とても爽快な気分を味わえます。

 そうして、気分もリフレッシュしたところで、「どれ、次のショットを打つべぇか」とティーグラウンドに立つと、愕然とさせられます。目の前に見えるのは、200ヤード弱の極端な打ち降ろしのショートホール。高低差はおよそ30ヤードで、しかもこんなに打ち降ろしなのに、グリーンは砲台ですから。

 ここまで緩やかな上りのコースをタラタラとプレーしてきて、突然崖下に打て、と言われる。これは距離感の出し方が非常に難しく感じます。

 メンバーに言わせれば、「ここは常にアゲインストの風が吹いているから、下りの計算はしなくていい」という話です。でもね、人間の心理としては、短めに打ってしまうんですよね。ここが思案のしどころです。

 という按配ですが、アップダウンのあるコースに興味を持てるようになりましたでしょうか。

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