【木村和久連載】ゴルフ会員権、高額銘柄と激安銘柄しか動かない理由 (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 一方で、100万~300万円程度の中堅銘柄が芳しくないのは、最近の年会費の値上げが響いていると思われます。

 以前は年間2万円程度だった年会費が、今や5~6万円というのがざらになっています。これは、「経営補強する」という名目でメンバーから徴収されていますが、ゴルフ場にとっては非常に美味しいお金です。

 仮に1コース、2000人ぐらいのメンバーがいるとしましょう。ちょっと多いですが、生き残っているコースは会員権をふたつに分割していることが多いので、まあこんなものでしょう。で、5万円の年会費を2000人からいただくと、ざっと1億円になります。なんら経費がかからない"真水"で1億円が入ってくるんですから、ゴルフ場にとってはたまりませんよね。

 ちなみに、最近のゴルフ場の運営というか、売り上げ(予算)はどうなっているのでしょうか。

 例えば、18ホールのゴルフ場だとすれば、予約数は基本50組です。夏場は65組くらいに増えますが、建前上50組で満員です。もちろん、平日と土日で入場者の数はだいぶ違ってきますから、ざっくり半分の25組が入って、客単価をメンバーやビジターひっくるめて7500円としますか。

 そうすると、1組およそ3万円で25組ですから、1日の売り上げが約75万円。それを1年で計算すると、2億7000万円程度になります。バブル崩壊以降、ゴルフ場の売り上げは年間3億円いけば、なんとか食べていける説があったのですが、あながち間違いではないです。

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