38歳・谷原秀人の挑戦。松山英樹とのコンビで世界のトップを目指す (3ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 谷原と松山は、東北福祉大の先輩と後輩。年齢はひと回りも離れているが、気心が知れた仲間として、ツアー転戦中の練習ラウンドや食事など、一緒に時間を共有していることが多い。

 そのふたりが、今度のチューリッヒ・クラシック(4月27日~30日/ルイジアナ州)にはペアを組んで出場することになった。世界ランキング4位の松山が指名し、谷原は主催者推薦を受けての出場となる。

 同大会は、今季から2人1組のチーム戦へと変更された。ひとつのボールを交互に打つフォアサム(初日、3日目)と、各選手のベストスコアを採用するフォアボール(2日目、最終日)の72ホールストロークプレーで争われる。計80組(160名)が出場し、35組が決勝ラウンドに進む。

 チーム戦だが、れっきとしたPGAツアーの公式試合。ポイントも、賞金も、他の試合と同じくオフィシャルなものとして換算される。もちろん優勝すれば、2年間のシード権が得られる。つまり、谷原にとっては大きなチャンスとなる。

 マスターズで予選落ちした谷原は、「完全にやられた。ここまで何もできないと、本当に悔しい」と、心身ともに打ちのめされていた。強風が吹き荒れた予選ラウンドの2日間、ロリー・マキロイ(27歳/北アイルランド)とジョン・ラーム(22歳/スペイン)と同組でプレーし、「パワーの差を感じた。彼らは飛ぶし、球(筋)が高いし......。そこを見ても仕方がないけど、でも僕は(彼らとの差を痛感して)これから何をしたらいいかわからない......」と、半ば放心状態になっていた。ゆえに、少し心配していた。

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