2017.04.16
「無冠の王者」ガルシアのマスターズ
優勝から松山英樹が学ぶべきこと

- text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
- photo by PGA TOUR
だけど......、ここ数年はもうメジャーに勝っても勝たなくても、僕は僕で変わらない。相変わらず間抜けな性格だけど、僕の人生はすごくハッピーだ、と思えるようになったんだ」
肩の力が抜けて、ようやく勝利をつかんだ。彼にとっては、やはりメンタル面の変化こそがメジャー勝利に必要だった、ということなのだろう。
プロデビューしたガルシアは、すぐに強烈なインパクトを世界中に与えた。1999年、19歳でマスターズのローアマチュアを獲ったあと、プロに転向。8月の全米プロ選手権(2位)では、いきなりタイガー・ウッズと優勝争いを演じたのだ。
最終日、ゴルフファンにとっては印象深い一打がある。16番でティーショットを曲げると、ボールは木の根元に止まった。打つのは不可能ではないかと思われたが、ガルシアはその難しいライからのショットに果敢にトライ。目をつぶって見事ヒットさせると、ボールの行方を追いかけてフェアウェーを走り出したのだ。
そのアグレッシブなプレーに多くのファンが魅了された。当時23歳だったウッズの「ライバル誕生」と騒がれ、メジャー勝利に最も近い存在と、誰もが思った。
しかしながら、ガルシアのゴルフ人生は何かが少しずつ狂い始めていく。