大爆発のチャンスはあったが、
松山英樹が勢いに乗り切れなかったわけ

  • 三田村昌鳳●取材・文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

「状態が悪いので、昨日と同じで、無理をしたくなるところでミスが出た」

 無理をしたくなるところとは、一気に勝負に出て、自分をいい流れに乗せていこう、ということだ。初日は、その勝負どころで失敗して、そのままリズムを崩してしまった。

「でも今日は、(ダブルボギーを叩いたあと)8番、10番が(バーディーを)獲れたので、流れよくできたと思います」

 午後、2日目も強い風がオーガスタの森を襲ってくる。特に遅い午後、ちょうど松山がアーメンコーナー(11番~13番)を回る頃から、特有の風が吹き荒れていた。

 10番ホールでバーディーを奪った松山だが、11番ではセカンドで攻め切れずにパー。そして、パー3の12番ではグリーン左奥まで飛んでしまう第1打を放ってしまった。

 この12番ホール、決勝ラウンドの残り2日間でも大きなカギになるホールだ。ティーグラウンドからグリーンを見ると、グリーン面はまるで中筆で漢字の「一」を描いたようにしか見えない。

 しかも、左から右へと下りのライン。グリーンの奥行きは、ほとんどないように見える。この日のピン位置は、グリーンの右やや奥だった。

 松山は定石どおり、グリーン左側を狙って、そこから傾斜でピンに近づけるイメージでショットした。それが、はるかにオーバー。さらに難しいアプローチは、カップを通りすぎて4mほどのパーパットが残った。

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