マスターズ直前。ニクラウスの名言に見る、松山英樹の世界的な立場 (3ページ目)

  • 三田村昌鳳●取材・文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

「今ひとつ調子が落ちているけれど、落ちていても勝てる場合があるし、それは誰にもわからない」

 本人がそう語るとおり、シーズン序盤に比べれば、調子は落ちているかもしれない。しかし、こういうときの松山は、底力を発揮することがある。

 昨年の秋から今年にかけて、松山の強さが際立つのは、ゲームマネジメントのうまさ。それによって、スコアをまとめ、優勝争いに加われるところだと思う。自分のゴルフを俯瞰して見下ろし、自分のその日の調子によって、そして周囲の動きによって、うまくマネジメントできる強さである。

「(マスターズへ向けて)ずっとショートゲームとパッティング中心の練習をしてきたのですが、このところ調子を落としていますので、ドライバーなどの練習もしてきました。まあ、最終日に優勝争いできるポジションにいたいと思っていますので、徐々に上向きになってくればいいと思います」

 大会へ向けて、松山は最後にそう抱負を語った。

 かつて、ジャック・ニクラウスが語った名言がある。

「マスターズで戦うということは、最終日の遅い午後にスタートしてなければ、意味がないんだ」

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