マスターズ直前。ニクラウスの名言に見る、松山英樹の世界的な立場 (2ページ目)

  • 三田村昌鳳●取材・文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 2回目(2012年、アマチュア選手として出場。54位タイ)は、やはりオーガスタのコースを知ってしまって、それに(対する)自分の力量が足りなかったのかと思います。少しずつ経験をしていくことで、いつも『あれが足りない、これが足りない』という気持ちを抱きながらも、それを乗り越えて(自分のものにして)やってきたつもりですけど、まだまだだと思います」

 6度目の出場となる今回、松山は米ツアーでそれなりの成績を残してきての戦いである。それも、シーズン(2016-2017)序盤のピーク時に、世界ゴルフ選手権シリーズ(WGC)のHSBCチャンピオンズで優勝し、2月のウェイスト・マネジメント・フェニックスオープンでは連覇を達成。すでに今季2勝を挙げるなど大活躍を見せてのオーガスタ入りゆえ、世界のメディアも放っておくはずがない。

 これまでの日本人選手にはまったく経験のない扱い。その戸惑いと、うれしさなどの、外的影響が一段と大きいものになっていると思う。

「来たな」というのが、今年のオーガスタ入りしての第一印象だったという。松山らしい言葉である。待ちに待ったときがやってきた――という気持ちもあるだろうし、満を持した覚悟もあるだろう。

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