藤田光里、悲しみを胸に秘め「これからも、父と一緒に戦っていく」 (2ページ目)

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

「昨季は、オフの間もなかなか調子が上がらなくて、そのままズルズルとシーズンの開幕を迎えてしまったんですよ。その後、夏場には少し(調子も)よくなったんですけど、結局最後まで(自分のゴルフが)よくわからないまま終わってしまいましたね。

 手首やヒジの痛みもあって、思うようなスイングができなかった時期もありました。それでも、シードを獲りたい、という気持ちはすごく強かった。それで、最後までがんばれたのかなと思います。その気持ちがなかったら、きっとシードをぎりぎりで落としていたか、もっと下のほうで終わっていたかもしれません」

 出場試合の最終戦となる大王製紙エリエールレディスの結果次第では、シード落ちの可能性もあったが、無事に予選突破を決めて32位タイでフィニッシュ。ぎりぎりのところでシード権を獲得した。

 その結果が、藤田にとってはとにかくうれしかった。心身ともに疲れ果てていた気持ちを、少なからず癒してくれた。

 そして、ようやく迎えたオフ。厳しいシーズンからやっと解放された藤田は、落ち着いた日々を過ごしていた。新たなシーズンに向けての準備を整えながら、都内近郊でイベントなどをこなしていた。そこへ、思いもよらぬ知らせが届いた。

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