2017.03.02

韓国からの「真の刺客」イ・ミニョンは、
がんに勝った不屈のゴルファー

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 その中で、彼女は「生きたい」と強く思った。最後まで諦めず、がんと闘うことを誓った。その思いが実ったのか、手術は無事成功した。

 それから、彼女は懸命にリハビリに励んだ。さらに、一度失いかけた"命"を取り戻したことで、ゴルフができる喜びを改めて実感。それまで以上に、練習やトレーニングを精一杯、それも楽しみながらこなしていった。そして、手術からわずか1カ月後、ツアーに復帰した。

 その復帰戦で、彼女は現地メディアにこう語った。

「遊びに行くような感覚で、試合に出場しようと思いました。昔みたいに、成績ばかりを気にして、ストレスをためないように努力しました」

 以来、イ・ミニョンは「人が変わった」と言われる。闘病生活の間に、何事にも感謝し、日々の生活を普通に送ることの大切さ、ありがたみを知ったからだ。

 韓国メディアに明かした次の言葉が印象深い。

「体を悪くして、試合に出られないことが本当につらい、ということがわかりました。健康な体で試合に出られることに感謝しています」

 そうして、がんを克服したイ・ミニョンは、2016年7月の韓国ツアー、クムホタイヤ女子オープンで1年9カ月ぶりに優勝。ツアー通算4勝目を飾った。生きることを諦めなかった彼女の、劇的な復活劇だった。