「自分が間違っていた...」。
シード落ちの香妻琴乃が探す復活への道

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

「私のスイングって、腰にすごく負担のあるスイングなので、もしそれをずっと続けていたら、また腰痛がひどくなったと思います。でも、そうすると自分の持ち味が出せなくなってしまう。(結果を出すためには)またそのスイングに近づける努力をしていかないといけなかった。そこで、いろいろな葛藤がありましたね。ただそうした中で、最終的には自分の理想のスイング作りは、焦らず、何年もかけてやらなければいけないな、と考えられるようになりました」

 さらに香妻は、スイング以外にも、自分に合うスタイルに気がついた。

「これは選手によって個人差があると思うのですが、私はキャディーやトレーナーなど、私をサポートしてくれる人たちと四六時中、ずっと一緒にいるのは合わないかもしれないな、と思いました」

 最近の女子ツアーを見ていると、確かに2年連続賞金女王のイ・ボミをはじめ、専属のコーチやキャディー、トレーナーなどもついて、"チーム"としてツアーを戦っている選手が多い。

「私も当初は、ひとつのチームを作って、それで一緒に活動したほうがいいかなと思っていました。ただその場合、相当それぞれの相性がよくないと難しいのではないか、と感じ始めたんですね。(何人かのチームになると)相手のことを思って、自分を殺してまで接しなければいけない人が出てくるかもしれないし、あるいは、誰かが素でぶつかってきた場合、皆がそれに耐えられるかどうかわからないじゃないですか。いくら仲のいい友だちでも、ずっと一緒にいたら息が詰まることもありますから。

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