「自分が間違っていた...」。シード落ちの香妻琴乃が探す復活への道 (3ページ目)

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

「う~ん......、やっぱりぜんぜん......。反省するべきことが多かったというか......。いや、反省というか、もっと考えて、集中してやっていかないといけないなって、そういう気持ちしかないですね、今は」

 香妻は悩ましい表情を浮かべたままだった。やはり、昨季は納得のいくシーズンではなかったのだ。

 ただ、そうしたシーズンの中でも、学んだことや新たに得られた教訓はあったはずである。

「学んだこと、というよりも、自分がいいと思ってやっていたことが間違っていた、ということに気づくことができたのはよかったと思います」

 それは、具体的にはどのようなことなのか。

「(間違いに気づく前は)自分のいいところを消してしまっていました。例えば、ショットに関して言うと、ずっと腰痛が出ないようなスイング作りをやっていました。そうしたら、その過程でどんどん腰を回さなくなり、(自分らしくフルに)振らなくなってしまったんです。確かに腰の回し方を修正したかったのですが、一気に直そうとしすぎてしまったのは間違いでした」

 最初に試みた腰をかばうスイングは、自然と香妻のよさを奪ってしまった。だが、腰に負担のあるスイングを続けると、痛みが増してプレーができない。その狭間で、香妻はシーズン中もずっと苦悩していた。

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