今の松山英樹は、絶頂期のタイガー・ウッズによく似ている (2ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 1999年から2000年にかけて、ウッズはPGAツアーの出場試合で6戦連続優勝を飾ったことがある。この頃のウッズは、まさしく手がつけられないほど強かった。6試合目となるAT&Tペブルビーチナショナルプロアマでは、最終日に首位とは5打差があって、さすがにもうウッズは勝てないと思われたが、サンデーバックナインの15番パー5でイーグルを奪うと、そこから一気に逆転優勝を果たしてしまったのだ。

 ちなみに6連勝を遂げたあと、次の試合はビュイック招待(現ファーマーズインシュランス)だった。ウッズがジュニアの頃から何度も勝ってきた得意なコースで開催され、7連勝の期待も膨らんだが、ここでウッズは2位。連続優勝記録は途切れた。

 この頃、ウッズがよく口にしていた言葉は、「決して100%の調子ではないけれども、勝つことができた」だった。

 今の松山の発言も、それに近いものがある。「やるべきことをやっていれば、結果はついてくる」と臆することなく言い放ち、今大会でも勝つことはできなかったが、「何がいい、というわけじゃないけど、気がついたらスコアが伸びていた」と、驚くそぶりも見せずに平然と話す。

 当時のウッズの発言に対して、「好調でもないのに勝てたって、なんだか不遜だ」と反感を持つ人もいた。しかしながら、ウッズの真意はそういうことではない。

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