カルビを食べるイ・ボミ。真剣な眼差しで激闘のシーズンを振り返る (3ページ目)

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 2度目は初めて賞金女王となったあと、同じく故郷の水原で、妹のボベさんのお店でヘアメイクをしてもらっている最中に話を聞いた。およそ20分という短い時間だったが、こちらの質問にひとつひとつ丁寧に答えて、非常にリラックスした状態の中、日本では聞けないような話を存分にしてくれた。

 3度目は2016年7月、韓国ツアーのBMW女子選手権に出場しているときだった。その直前、イ・ボミはリオデジャネイロ五輪出場へ最後の望みをかけて、海外メジャーの全米女子オープンに出場していた。だが、予選落ちを喫して、残念ながら韓国代表にはなれなかった。その傷心の身で、イ・ボミは日本ではなく、韓国に戻って自国のツアーに参戦したのだった。

 韓国での注目度も相当なもので、あのときは、韓国メディアやファンの熱狂ぶりに驚かされた。

 通常、韓国ツアーでプレーしていない選手は、その存在が薄れがちになるものだ。2011年から日本ツアーに本格参戦を果たしたイ・ボミも、当初はなかなか結果を出すことができず、前年の韓国ツアーの賞金女王でありながら、韓国でその動向が伝えられることは少なかった。

 それが今や、一変した。

「日本での活躍と人気が、韓国にも飛び火した」

 韓国ツアーの関係者や、各メディアの記者はそう口をそろえ、彼らも韓国におけるイ・ボミ人気には面食らっていた。

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