メンタル改善で今季2勝の鈴木愛。日本人賞金女王へ期待が高まる (3ページ目)

  • 古屋雅章●文 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images

 そこからですね、なんか気持ちが乗っていかなくて、頭では『優勝したい』って思うんですけど、本当の気持ちと自分の体がついてこない感じでした。(考えていることに対して)体がだいぶ後ろのほうから追いかけているみたいな......。

 今思えば、最初に勝った試合が日本女子プロ選手権で、宮里藍さんの記録を塗り替えたということもあって、周りから騒がれ、自らも自分に期待してしまったんです。最初は、初優勝がメジャーでよかったなって思ったんですけど、よくよく考えると、それが自分にとって、大きなプレッシャーになっていたのかな、と思います」

 その2015年シーズンは、結局優勝することができず、2位が3回もあった。「私には運がないというか、勝てる要素がないのか」と思って落ち込んだりもしたという。

 それが一転、今季はツアー2勝。賞金ランク5位と大躍進した。きっかけとなったのは、ツアー2勝目となった5月の中京テレビ・ブリヂストンレディスだった。

 この試合、2日目を終えて永峰咲希(21歳)、酒井美紀(25歳)とともにトップタイに立った鈴木は、ラウンド後に囲み取材を受けた。そのとき、ある記者のひと言が、鈴木の気持ちに火をつけた。

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