メンタル改善で今季2勝の鈴木愛。日本人賞金女王へ期待が高まる (2ページ目)

  • 古屋雅章●文 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images

 2013年3月に高校を卒業し、その年の夏にプロテストで一発合格を決めた鈴木。ツアー本格参戦となった翌2014年シーズンには、前述のとおり、いきなり日本女子プロ選手権を制してプロ初勝利を挙げた。このときの、20歳と128日での優勝は、宮里藍の21歳83日という日本女子プロ選手権における最年少優勝記録を更新する快挙だった。

 その年、鈴木はおよそ賞金6000万円を獲得。賞金ランク13位となって、プロとして最高のスタートを切った。だが、プロ入り早々にメジャー大会を制覇したことが翌年、大きな重圧になったという。

「あの年(2014年シーズン)、日本女子プロ選手権で優勝した翌週から、最終戦までは一度も予選落ちがなくて、ほとんどトップ20を外さないほど調子がよかったんです。日本女子オープンでも最終日最終組で回ったので、メジャー2連勝もあるんじゃないかと、周囲の期待も大きくなっていました(最終的には5位)。

 そうした中、シーズン終盤に地元の四国(香川県)で開催された大王製紙エリエールレディスでは、『絶対に優勝したい』と思ったんですが、勝ち切れずに2位タイで終わってしまいました。さらに翌シーズン、同じく四国(高知県)で行なわれたヨコハマタイヤ PRGRレディスでも、再び2位。40位とか、もっと成績が悪ければ諦めがついたのでしょうが、地元の得意コースでより強い気持ちで挑んだのに、両方2位で終わってしまったことが、(精神的に)大きなダメージとなりました。

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