【木村和久連載】大先生設計の
コースでプレーしたくありませんか?
圧巻は、17番ミドルホール。第1打の落としどころに、左右に計10個の白砂の大きなバンカーが点在しています。そこをなんとかクリアし、グリーン方面に向かって歩き出してふと後ろを振り返ると、あら不思議、さっきのバンカーがまったく見えないじゃないですか!?
白い10個のバンカーは、「波やカモメのイメージで作った」と言われています。ゴルファーは"旅人"であり、その目前に10羽のカモメが飛んで来て、過ぎ去る。後ろを振り向くや、もうそのカモメたちの姿は消えていた――私は、そう理解しました。
ゴルフコースに詩情あふれる物語性を残すなんて、素敵じゃないですか。さすが、井上誠一ならでは、です。
井上誠一の設計は、ゆったりしたレイアウトで、「これはちょっとな!」と不満に思うホールはまずないです。各ホール、ちゃんと考えて作っています。
大原・御宿GCのショートホールなどは、池がらみでバンカーも多く、攻め応えがあります。それでも、リゾートコースゆえ、池があまりタイトに絡んできてはいません。グリーンぎりぎりまで池が迫っていないのが、井上先生の優しさなのかもしれません。
ぜひ一度、"初・井上誠一"を体験しに、大原・御宿GCでプレーしてみてはいかがでしょうか。
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