イ・ボミの「弱点」が劇的に改善。
2年連続賞金女王はこれで決まった

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

「なかなか優勝できなかったり、トップ10入りできなかったりしただけで、周囲から『調子が悪いの?』と言われる。そんな選手って、そうそういませんよね(笑)。そういった言葉が、後半戦はイ・ボミ選手に重くのしかかっていた、というのはあるかもしれませんね」

 だが、そうした状況にあっても、イ・ボミは今季も5度優勝を飾って、日本ツアー通算20勝を達成。見事に2年連続となる賞金女王のタイトルを手にした。加えて、日本で通算20勝を記録したことで、母国・韓国女子ツアーでの永久シード権も獲得した。

 今季の数字を見ても、その強さは突出している。出場27試合で、優勝を含むトップ10入りは20回を数える。しかも、日本女子オープンの1試合だけ棄権したものの、予選落ちはなく、最も悪い成績はTOTOジャパンクラシックの49位タイだった。賞金ランク2位の申ジエ、同3位の笠りつ子でさえ、一度は予選落ちを喫しているだけに、イ・ボミの強さと安定感は一層際立つ。

 その驚異的な強さの要因はどこにあるのか。清水氏は、今季のイ・ボミの強さについて、こう分析する。

「注目してほしいのは、パーセーブ率です。残り1試合を残して、91.1765%でツアー1位。おおよそ18ホールで1個のボギーを叩くと、約94%になるのですが、その計算でいくと、イ・ボミ選手は1日約1個のボギーしか打っていないことになります。私の中には、『優勝争いをする強いプロはボギーを打たない』という認識があるのですが、まさしくここにイ・ボミ選手の強さが垣間見えます」

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