日本と何が違うのか。石川遼がPGAツアーだと「緊張してしまう」理由 (2ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 体の状態はほぼ問題なく、「2月に比べると、(体重は)2、3kgは増えた」という。その分、胸板がひと回り大きくなって、ショットの安定感は増したように感じられた。だが、「まだまだショットに自信がある状態ではない。(この試合の中で)少しでも光を見出せればいいと思う」と、石川本人のトーンは大会前からやや低かった。

 2週間前の試合では10位。にもかかわらず、調子自体はそんなに悪いのか? そういぶかしがる私に対して、石川は「初日は緊張すると思う」と言った。その言葉を聞いて、少し驚いた。

 これが、彼にとってのPGAツアー復帰初戦なら、まだわかる。しかし、前述のとおりCIMBクラシックでPGAツアーに復帰。すでにツアーの雰囲気を味わって、4日間の戦いを経験している。それだけに、ちょっと面食らった。

 やはり、アメリカ本土の大会となると、彼にとっては少し意味合いが違うのだろう。そして、この緊張こそ、石川にはPGAツアーでしか得られないものなのである。

 2013年から米ツアーを主戦場として、これまで何度か優勝争いもしてきたものの、現状は予選通過に四苦八苦し、シードを確保するのが精一杯な状況にある。一方で、日本ツアーに戻ると優勝を手にしてしまう。昨年も、一昨年もそうだった。

 どうして石川は日本だと強いのだろうか? そう思うファンも少なくないはずである。

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