賞金シード当落選上の香妻琴乃「私が見ているのは、そこじゃない」 (2ページ目)

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 夏場以降、確実にゴルフの調子は上向いている。その結果、当初は厳しい状況にあった賞金シードも、3年連続で獲得できる位置まできた。しかしながら、香妻本人は「まだまだ褒められるようなゴルフはできていない」という。

「(終盤戦を迎えて)ピンに向かって、しっかり攻めるイメージが持てるようになり、パットの距離感も合ってきました。ただ、全体的にショットの安定感、特にアイアンがまだまだですし、反省しなければならない点がいくつかあります。チャンスをモノにできれば、もっと上にいける手応えがあるだけに、悔しい気持ちがありますね。とにかく今は、前を向いて、がんばるしかありません」

 笑顔が似合う香妻だが、厳しい現状について語るときは、彼女の目は険しく鋭い。「勝ちたい」という気持ちが強い中で、結果が出ないことへの焦りが、そうした雰囲気にさせるのだろう。

 それでも、結果が出始めた後半戦。その要因のひとつは、専属コーチを務める中島弘二プロが、試合会場にもよく姿を見せるようになったからだろう。中島プロは今年で70歳を迎えるが、今年の日本プロゴルフグランド・ゴールドシニア選手権(ゴールドの部)で優勝するほどの実力者。日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の小林浩美会長とも、かつて師弟関係にあった。

 練習場でスイング指導する中島プロのアドバイスは的確で、言われたことが香妻の中にスッと入ってくるのだという。

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