リオ五輪出場を逃したイ・ボミ。
韓国のカルビ店で語った「真相」

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Kyodo News

「日本ツアーでは、いつも母が料理を作ってくれ、美味しいおかずとおにぎりを持たせてくれます。アメリカでも、大会期間中は母が自炊してくれました。母の手作り料理が一番の力になりますから。ただ、アメリカで食材を調達するのは困難だと思って、食材はこちらからアイスパックにして持って行きました。その食材がどうも(長時間の移動などで)傷んでしまったみたいで......。それでちょっとお腹を下してしまったんですね。どうにか試合には出られましたが、熱が出て、本来の調子とはいきませんでした」

 そう正直に語るイ・ボミの隣で、母ファジャさんは表情を曇らせていたが、イ・ボミは「すべて自分の責任です」と淡々としていた。

「母はいつも私を気遣って、十分なサポートをしてくれています。それがなければ、賞金女王にもなれなかったですし、そのおかげで今年もすでに2勝することができました。それに今年に入ってからは、もともとお腹の調子が悪くなることが多かったんです。そのことについても、母はずっと気遣ってくれていました。今回のことは、あくまでも自分の不注意です。これも(今後の)教訓として受け止めていますし、今回のことがあって、ますます体調管理に気を配るようになりましたよ」

 常にストイックなイ・ボミ。何事も人のせいにすることはない。今回アメリカで学んだことは決して忘れないだろうし、2度と同じ失敗を繰り返すことはないだろう。

 今季の目標としてきたリオ五輪出場。結局、その目標は実現することができなかった。しかし、イ・ボミに引きずっている様子はなかった。すでに気持ちを切り替えて、彼女の視線は新たな目標を見つめているようだった。

(つづく)

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