全英の「決闘」を制したステンソン。次なる狙いはリオの金メダル (3ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 まず、初優勝を挙げたあと、数年間はスランプに陥った。それでもそこから何とか這い上がって、2007年には世界ランキングでトップ10入りを果たし、欧州ツアーの賞金王にも輝いたが、2012年に再び壁にぶち当たった。

 今度は、ドライバーの不調だった。「イップス」とまで言われ、トーナメントでは予選通過もままならなくなった。そして、世界ランキングはついに230位台まで急降下。さすがにその際は、エマ夫人に「もうゴルフをやめてしまったほうがいいだろうか」と、弱音を吐いたこともあったという。

 そんなステンソンを支えたのは、そのエマ夫人と3人の子どもたちだった。彼女たちのサポートのおかげで、ステンソンは見事に復活した。

 忘れられないのは、2013年のミュアフィールドで行なわれた全英オープンだ。優勝したミケルソンには及ばなかったものの、メジャーで2位という結果を残した。それから3年後、再びミケルソンと争って、今度はステンソンが勝利を得たのだから、ゴルフの神様も粋なことをするものだ。

 ところで、ステンソンのニックネームは「アイスマン」。プレー中は感情を表に出さず、冷静沈着に見えるからだろうか。しかしこれまで、自らのミスショットに怒りを露わにして、クラブをヒザで折ったり、ドライバーを叩きつけて壊したりしているシーンがよく見受けられた。アメリカでは、感情を抑えきれない選手として知られている。

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