リオ五輪出場か否か。その悩みが松山英樹の調子を狂わせたのか (2ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 4月、オーストラリアの五輪代表になることが濃厚だったアダム・スコット(35歳)は、「過密スケジュール」を理由に早々に辞退を表明した。その際、母国では批判の嵐だった。

「五輪でプレーする意義とは、ゴルフの発展のため。メジャーに重きを置き、五輪よりもメジャーで勝ちたいのは誰もが同じ。しかし、そこを何とか折り合いをつけて五輪でプレーすべきだ」

 そんな報道が相次いだ。当時、私もそう思っていた。

 だが、今はちょっと違う。これほど不安要素があって、帰国後、本当に健康被害は出ないのか。あるいは、現地でプレーできないような状況に陥ったら、いった誰が責任を取ってくれるのか。

 最終的には個人の責任で行くのだから、個人の判断が優先されるべきだろう。

 ロリー・マキロイ(27歳/北アイルランド)も、当初は五輪出場に前向きだった。ずっと「ゴルフがまだ盛んでない地域で、少しでも(ゴルフに)興味を持ってもらえれば」と言い続けてきたが、婚約者の存在を理由に「近い将来、一緒になる家族を守るため」と出場辞退を決意した。

 世界ランキング1位のジェイソン・デイ(28歳/オーストラリア)も、「家族の安全が一番」と五輪参加を辞退した。メディアから「(五輪が)東京での開催だったら出場したか?」と聞かれると、デイは「東京なら出場したよ」と回答。純粋に健康被害を懸念して結論を出したようだ。

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