【木村和久連載】「株取引の格言」に見る、株とゴルフの類似性 (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

「アタマとシッポはくれてやれ」

 これは、野良猫にあげる魚のことじゃないです。相場の上昇開始から天井まで、丸ごと全部儲けようとしないで、上昇局面の途中に少し利益が出ればいい、ということ。貪欲はケガのもと、何事も腹八分目が肝心、という教えです。

 同じくゴルフも、腹八分目がいい案配です。ボギーメインで時々ダボ。たまにパーというプレーで十分じゃないですか。この5mのパットを入れたらパーだと、強気で狙って打ったらかなりオーバーして、返しも外してダボ。誰もが経験しているんじゃないですか。

 5mのパットなら、最初からオーケーをもらえる距離を打てばいいんですよ。「ラインを消して、ボールが曲がる前に入れなきゃ」とか言って、欲をかいてやっているから叩くんですな。

「江戸の仇(あだ)を長崎で討つ」

 これは、すぐ目の前で仇を討つのではなく、巡り巡って遠いところで仇を討つ場合がある、というお話です。株取引で言うと、今失った損失を、その銘柄で取り返すのではなく、一旦頭を冷やして、別なときに別の銘柄で儲ければいい、という格言です。

 これもそのまま、ゴルフのプレーに当てはめることができます。

  例えば、残り220ヤードのセカンドショット。5番ウッドでマン振りしたら、チョロで30ヤードしか前進しませんでした。ここで、「悔しい~、頭にきた!」と、残り190ヤードも同じクラブでマン振り......って、今それでミスしたばかりじゃないですか。まあ、おおよそ再びミスしますね。身に覚えがある人 もたくさんいるでしょう。

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