モハメド・アリとゴルフ界
「偉大なる王者」をタイガー・ウッズらが追悼

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 アリが放ったボールは、140ヤード先まで真っ直ぐ飛んでいった。それを見た彼は、「ほら、飛んだじゃないか」と言って大喜び。それからもう一球、見事なショットを放つと、アリはこう叫んだ。

「こんなに遠くへ飛ばせるヤツは他にいないだろう。オレだけだ。モハメド・アリだけだ。モハメド・アリを誰も負かすことはできない。アーノルド・パーマーも、ジャック・ニクラウスも、だ!」

 戦う前に大口を叩くのは、わざと相手を怒らせる戦法である。アリのその態度はときにひんしゅくを買うこともあったが、あくまでもアリは「オレこそが、史上最も偉大でなければおかしい」と、常に胸を張って生きてきた。その堂々たる姿に、多くのアスリートが共感するのだろう。

 偉大なるチャンピオンであるとともに、社会活動家でもあったアリ。競技こそ違うが、ゴルフ界にも大きな影響を与えてきた。そんなアリの精神を、ゴルフ界でも継承していくことができたら、彼もきっと天国で喜ぶに違いない。

 ご冥福をお祈りいたします。

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