【木村和久連載】ショートコースで「3度打ち」ってどうなの? (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 そんな、わけのわからぬことを言うので、「そんなの知りませんよ。とにかく、何回も打たないでください」と注意すると、熟年夫婦はしぶしぶ了承して、そそくさと歩き出していきました。

 これで一件落着かと思ったら、次のホールのティーグラウンドでまた、その熟年夫婦に遭遇。今度はあっちから、「このコースは渋滞が多いから、みんな待っている間に何回か打っているんだ。それのどこがいけないんだ!」と言って威嚇してきたのです。

 いやいや……、「みんなが何回も打つから、渋滞するんじゃないですか。マスター室で聞いてみたらどうですか」と言うと、こう反論してきました。

「ここは練習するコースなんだから、細かいこと言わんでいいんじゃないの」と。

 もう、両者の言い分は平行線をたどるたけ。仕方なく、こっちはもうラウンドも終わりに近づいていたので、あとは熟年夫婦の2~3度打ちを静観しながら、プレーを終了しました。

マナーは他人の迷惑にならない程度に守ってほしいですよね……マナーは他人の迷惑にならない程度に守ってほしいですよね…… さて、いったいこの“事件”、どこに問題があったのでしょうか。

 いろいろありますが、ショートコースでは何回も打って練習したほうがいい、という考えには実は賛成です。でもそれは、コース側が認めた場合であって、今回のようにコースが認めていない場合は、本来は1度きりのプレーで進行するべきでしょう。その認識の差に問題が生じるんでしょうね。

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