世界トップを知るマキロイが言う「スピースを最も苦しめるもの」 (2ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 ともかく、地元の大会であり、大会のタイトルスポンサーであるAT&Tはスピースの契約先である。周囲の期待はもちろん、自らもこの大会にかける思いはかなり強かった。

「正直言って、もっとプレッシャーがかかると思ったけれど、自分が思ったほどは感じていなかった。最終日が始まって、最初はそれなりに緊張したけど、すぐに優勝争いから脱落して、それでプレッシャーを感じなかったのかもしれない」

 スピースは、ラウンド中の自らの気持ちの変化をそう振り返った。

 この話を聞いて、今年の初めにロリー・マキロイ(27歳/北アイルランド)が言っていた言葉を思い出した。それは、そのとき世界ランキング1位だったスピースに向けてのメッセージというか、忠告のようなものだった。

「ジョーダン(・スピース)にとって、今年一番の敵になるのは、プレッシャーをかける自分自身だ。今年は、昨年とはまるで違う1年になるさ。僕自身がそうであったようにね」

 マキロイ自身、2012年に初めて世界ランキングのトップに立つと、翌2013年シーズンは不振に陥った。PGAツアーでは1勝もできず(ワンアジアツアーでの1勝のみ)、世界ランキングを落とした。

 また、マキロイは最近も同じようなことを口にしている。4大メジャーすべてを制覇する"生涯グランドスラム"の期待()が大きく膨らんだ、今年のマスターズでの戦いを振り返ったときだ。
※4大メジャーのうち、マキロイは全米オープン(2011年)、全英オープン(2014年)、全米プロ(2012年、2014年)はすでに制覇。

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