【木村和久連載】偏差値にスコア...数字に縛られた人生でいいのか

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 北海道クラシックGCで「92」と言いますけど、7人で行ったツアーの中ではベスグロです。いかにそこが難しいか、です。ゴルフの偏差値を自分で高めようと思ったら、自分のベストを尽くしてがんばれ、それがコースに対する礼儀だと思います。

 また、北海道ゴルフ倶楽部では、実は最後のパットが入っていれば、「89」と栄光の80台でした。カップまで3m。打ったボールはラインに乗っていたのですが、カップ寸前で止まってしまいました。あと2~3cm転がってくれれば……。でも、85点ぐらいの満足感でいっぱいです。

 そして今回、スコアよりも大事にしたいと思ったのは、印象として残る風景です。例えば、北海道クラシックGCの、クラブハウスのテラスから眺める景色。池がらみのコースの、なんと美しいことか。ここでラウンドするために、メンバーになる人の気持ちがよくわかります。

 一方、北海道ゴルフ倶楽部も素晴らしかったです。イーグルコースの最終18番は池越えのミドルホールなんですが、大きな池越しに見る、ホワイトハウスみたいなクラブハウスの荘厳さ。これもまた、絶景でしたね。

 結局、スコア重視は“現実派”の人生で、調子がよければ、それはそれで結構でしょう。しかし、ピークを過ぎた自分としては、“印象派”としての道も歩んでみたいな、と。つまり、スコアやハンデに縛られることなく、感動や思い出を胸に秘めてラウンドするのも大事かと。

「あなた、平均スコアはいくつ?」「ハンデは?」って、もはや数字のみでゴルフを量られたくないんです。それって、マイナンバー制度みたいで、人間味がないですからね。


木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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