【木村和久連載】ブームも一段落。どうなるシミュレーションゴルフ (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 当時の最高級マシンは、おおよそ1台1000万円弱。その後、日本のメーカーもがんばって、非常にリーズナブルなマシンとなり、一気に普及し始めました。ゴルフバーなども大挙出現。1980年代後半のビリヤードブーム、バブルの頃の打ちっぱなしブームを思い起こすような勢いで、都内では一時、シミュレーションマシンだらけになりました。

 シミュレーションゴルフの設置店は、お酒を飲みながら軽食をつまんで、2時間くらいで帰るという、カラオケやダーツバーの代わりになるものでした。グループでの飲み会やデート、さらにはゴルコンにも最適と、何かと重宝されました。

 当初は物珍しさもあって、私もよく行きましたが、次第に料金が高いことに気づきます。お酒を飲んで食事付きとはいえ、ひとり5000円ぐらいはしましたか。

 そうなると、本物のゴルフを平日にしたり、打ちっぱなしの練習場に行ったりしたほうが安いじゃん、ということで、特に地方ではあまり普及しませんでした。結局、シミュレーションゴルフは、都会のお洒落な"遊び"だったのです。

 また、シミュレーションマシンがポピュラーになると、各所に1~2台、客寄せパンダみたいに置かれるようになりました。ゴルフ量販店の試打スペースであったり、スポーツジムであったり、さらにゴルフクリニックや練習場、シェアハウスなどにもあったりして、さまざまな場所で見受けられました。しかもタダ同然でできるようになって、目新しさもなくなってしまったのです。

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