嵐でも日没でも。72ホール競技にこだわるPGAツアーのプライド (2ページ目)

  • 武川玲子●文 text by Reiko Takekawa
  • photo by Getty Images

 ちなみにその4試合は、2005年のベルサウスクラシック、2009年のAT&Tペブルビーチ・プロアマ、2011年のザ・バークレーズ、そして2013年、強風で中断が続いたヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ。なかでも、印象に残っているのは、ヒュンダイ・トーナメントだ。もともと月曜日に終わる大会だが、その月曜日に全員が36ホールをプレー。予備日の火曜日に18ホールを消化し、どうにか54ホールをこなして、オフィシャル大会として成立させた。

 そんな公式戦へのこだわりという点においては、過去にこんなこともあった。

 それは、1998年2月のAT&Tペブルビーチ・プロアマでのこと。同大会は暴風雨によって、月曜日まで引き伸ばしても36ホールしか消化できなかった。そこで、残り1ラウンドを8月のオープンウィークに実施。なんと、半年以上もかけて54ホールを消化。公式大会として成立させたのだ。

 PGAツアーは、72ホール競技はもちろんのこと、公式大会として成立させることへの強い思いがある。1998年のAT&Tペブルビーチ・プロアマでのことは、まさにPGAツアーのプライドと意地が垣間見えるエピソードである。

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