A・スコットもリオに不参加。五輪のゴルフ復活は何のためなのか (2ページ目)

  • 武川玲子●文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

 五輪に出場しない意向を示しているのは、シンだけではない。スペインのミゲル・アンヘル・ヒメネス(52歳)もそのひとり。同国ではセルヒオ・ガルシア(36歳)、ラファエル・カブレラベロ(31歳)に次ぐ補欠1番目の選手だったが、五輪には出ないという。

 なぜ今、選手たちは欠場表明するのか。

 実は、五輪に出場する可能性のある選手は、5月6日以降、予備登録選手としてドーピング検査が実施され、IOCに常に居場所を報告する義務が発生する。これは、選手にとってかなりの負担だ。おそらく、それを回避したいのかもしれない。

 また、リオ五輪のゴルフ競技は、8月11日~14日に開催される。そのため、今年は4つのメジャー大会がすべて、7月までに開催される特別なスケジュールが組まれている。シンが語るとおり、確かにとても忙しい夏になる。

 五輪とメジャータイトルを比べたら、やはり多くの選手はメジャーへの思い入れのほうが強い。五輪出場に前向きなファウラーでも、「メジャー勝利と金メダル? それは、迷わずメジャーに勝ちたい」と言う。「五輪は母国のために戦いたい」と強い決意を見せるマキロイにしても、「子どもの頃から夢見てきたのは、メジャーに勝つこと」と語る。

 そして、ついにオーストラリア代表として五輪ランキングに名を連ねていたアダム・スコット(35歳)までが、五輪に出場しない意向を発表した。

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