悔しすぎるマスターズ7位。松山英樹にわずかに欠けていたモノ (2ページ目)

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 うっすらと光る涙を目に浮かべながら、松山は語った。

「スタートの1番ホールのティーショットは思いどおり打てて、フェアウェーの真ん中だったんですけど、次のショットが悪かったです。そこから......。でも、まだチャンスがあると思って何とか立て直したんですけど、12番からの、バーディー、イーグルが取れそうなパットをことごとく外してしまって......。ショットも、ショート、ミドルアイアンともに思いどおりにいかないケースが多くて......。悪いながらもここまでこられたことは自分でも評価してあげたいですけど、やっぱり悔しい」

 その悔しさは、自分ができるのにできなかった悔しさなのか、自分が足りない(技量を持っていない)からうまくいかなかった悔しさなのか、どっち? と質問した。

 すると松山は、前者だと応えた。

 マスターズで勝つためにこの1年間、松山は相当な努力を重ねてきた。体幹を太く、しなやかに鍛え、筋力アップ、持久力アップを図った。スイングも、特にパッティングはかなりレベルアップさせてきた。普通なら、嫌になるほどきついトレーニングや、ショット、パッティングの精度を高める練習を、これ以上ないほどこなしてマスターズを迎えたのだ。ゆえに悔しさは膨らむばかりだった。

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