2016.04.08

マスターズ出場権を最後に得たハーマンと
「暴言王」のちょっとイイ話

  • 武川玲子●文 text by Takekawa Reiko
  • photo by PGA TOUR

無名のハーマンをずっとサポートしてきたトランプ氏「ドナルドは、名もないボクの才能を信じてくれた。彼は、プロアマで多くのプロとプレーしているから、彼の言葉には説得力があった。あるとき、彼はボクのために小切手まで切ってくれて、経済的にも支援してくれた。PGAツアーに参戦することはほとんど諦めかけていたけれど、おかげで、2007年についに2次予選を突破することができたんだ」

 シェルヒューストンオープン優勝後のインタビュー、ハーマンは当時のことを振り返って最後に言葉を詰まらせた。

 とはいえ、トランプ氏の支援のもと、2008年からPGAツアーのメンバーになったハーマンのゴルフ人生が、その後も順風満帆だったわけではない。

 2014年にはツアーカード(シード権)を維持できず、下部ツアーであるウェブ・ドット・コムツアーのファイナルズを戦っている。そうした状況にあったハーマンは、夕食時に妻の肩に手を置きながら、「もう、ゴルフをやめたほうがいいのかもしれない」と泣いた夜もあったという。

 それでもハーマンがゴルフをやめなかったのは、その妻がずっと献身的に支えてくれていたからだ。さらに、トランプ氏がハーマンのことを見捨てることなく、サポートし続けてくれたことが大きかった。

 トランプ氏は、機会があればハーマンの応援に駆けつけた。この勝利のおよそ1週間前にも、ふたりは一緒にラウンド。トランプ氏は多忙に関わらず、ハーマンを激励してくれたそうだ。それが、今回の優勝につながったのかもしれない。

「カジュアルなラウンドだったけど、ボクは8アンダーで回った。ドナルドの言葉は、いつだってボクに大きな自信を与えてくれる」(ハーマン)