変貌するマスターズ。松山英樹はれっきとした優勝候補である (2ページ目)

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 したがって、選手たちはまず、自分が4日間、72ホールのシナリオをどう作って演出していくかが悩みどころとなる。

 そうなると、初日のポジションニング(位置取り=スコアと順位)が、シナリオ作りと演出の中でまさに重要なオープニングとなる。ゆえに今年は、初日から選手たちが攻めていくのではないか、と思うわけだ。

 ライバルが多く、誰もが「主役に立ちたい」という状況にあって、キーマンがいなければ、自分がそのキーマンになろうとする選手が増えてくるだろう。しかも、これまでのマスターズの優勝スコアは8~12アンダーの幅にあったものが、昨年はスピースが18アンダーでフィニッシュ。全体レベルが上がっていることの影響を受けて、初日から4、5、6アンダーを目指す選手が増えてくる可能性が大きい。

 いつものマスターズなら、初日イーブンから4アンダーに位置している選手の中から優勝者が出る確率が高い。しかし今年は、それ以上の攻撃的なゴルフで幕を開けるかもしれない。

 そんな中、もちろん日本期待の松山英樹も優勝候補のひとりだ。

 今季も2月のフェニックスオープンで優勝し、ツアー通算2勝目を飾った。それも、決して絶好調ではなく、ショットに苦しみながらファウラーから勝ち取った勝利である。この優勝は、かなりの自信につながっている。

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