マスターズ新時代へ。日本人初優勝の可能性も限りなく大きい

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 ということは、"マスターズ・ウイーク"では一日5億円の売り上げがあって、日曜日の最終日までの売り上げを単純計算すると、35億円に上ることになる。それを知って、マスターズという大会はやっぱりスケールが違うな、と改めて感心させられた。

 マスターズでは、世界中にテレビ中継の放映権も売っているし、マスターズのマークがついた商品が数多くあって、それらの版権を含めたマーチャンダイジングによる収益も大きい。そのすべてを計算したら、とんでもない金額になることだろう。

 これは、あくまでも推測で不確かな数字だけれど、おそらく年間100億円を超える収入があるのではないだろうか。そんなところからも、大会の規模や人気のすごさを知ることができると思う。

 さて、今年は残念ながらタイガー・ウッズ(40歳/アメリカ)が欠場する旨を大会直前に発表した。「腰痛が完治しない」というのが、その理由。しかし僕は、時代の移り変わりを感じざるを得ない。

 昨年は、ジョーダン・スピース(22歳/アメリカ)が21歳で優勝した。通算18アンダーは、タイガー・ウッズの記録と並んでトップタイ。数カ月ほどタイガーより遅くて最年少優勝者とはならなかったが、同じ21歳での優勝だった。そして、何より圧巻だったのは、スピースの奪ったバーディー数だ。4日間で28個。2001年にフィル・ミケルソン(45歳/アメリカ)が奪った25個という記録を大きく塗り替えた。さらに、4日間首位を譲らなかった完全優勝は史上5人目という快挙だった。

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