女子ゴルフの五輪代表争い。宮里、野村、大山、それぞれの思惑 (4ページ目)

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

「五輪出場のためにも、今までどおりの練習じゃあダメですね。死に物狂いで、後悔のないように準備していきたい。そして、プレッシャーのかかる場面でも、しっかりパットを決められるようにしないといけない。とにかく(五輪出場のためには)2015年シーズン以上の結果を残せるようにしないと」

 ところがこのオフ、「外国人コーチを探して、オフのトレーニング環境を変えたい」という計画などが頓挫。目標達成に向けて、当初思い描いていたような準備ができなかったという。

 そんなこともあって、ここに来て大山の五輪出場への思いは若干トーンダウンしつつある。今季3戦目、Tポイントレディスの際に話を聞いてみると、大山はこう語った。

「五輪出場については、あまり考えていません。それよりも今は、自分のゴルフをステップアップさせるために、気持ちのコントロールが必要だと思っています。つまり今、私の五輪に対する気持ちは、(メディアの)みなさんが想像しているものとは違ってきているかもしれません」

 大山にとっては、この先どうなるかわからないことに対して、一喜一憂してはいられないといった思いもあるのだろう。今は何より「目の前の試合を大事に戦うことが重要」とも語っていた。

 それぞれの思惑が交錯する五輪出場への道。イ・ボミをはじめ、熾烈な争いを見せる韓国勢と比べると、日本勢の争いは少し冷めた感がある。それでも、出場権争いが佳境を迎えれば、世の中の空気も変わって、選手たちの意識も変化していくはずである。ツアーの行方とともに、リオ五輪日本代表の座を誰が獲得するのか、注目していきたい。

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