女子ゴルフの五輪代表争い。宮里、野村、大山、それぞれの思惑 (3ページ目)

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 一方で、今季躍進著しい野村敏京は五輪出場に対して、慎重な構えを見せている。

「リオ五輪ですか? 正直、まだ実感がないというか、現実的には考えていません。世界ランキングが上がっているとはいえ、出場権を獲得したわけではないですから。まだ今後、どうなるかわからないし、本当に(出場が)確実なものになってきたら、しっかりと考えていきたいです」

 野村は今季、2月のオーストラリア女子オープンで、悲願の米ツアー初優勝を飾った。その後も高いレベルで安定したプレーを披露し、3月29日現在、米ツアーにおける賞金ランキングは4位である。

「やっぱり優勝は、すごく気持ちがよかったです。今年は全体的にショットがよくて、パターもいい。このオフは、ショートゲームとパターの練習をたくさんやってきて、特にパターについては、距離感をつかむことより、タッチをしっかり合わせる練習に時間を割いてきました。その成果が出ているのかもしれません。今後も、ミスのない完璧なゴルフを目指して、2勝目、3勝目と結果を出していきたい」

 日本人選手で今、世界で最も力を発揮できるのは、野村だろう。五輪に出場すれば、メダルも期待できる存在である。しかし、リオ五輪出場については、「ブラジルは今、ジカ熱や治安の問題もある。危険な状況が続いていて、ちょっと怖いですよね……」と、やや消極的な感がある。出場権を得るまでは、自らの戦いに集中したい、といったところか。

 リオ五輪に対して、米ツアーを主戦場とするふたりは、現状では正反対の姿勢を見せたが、日本ツアーで戦う大山志保はどうか。昨年のLPGAアワードで(チームLPGAの一員として)特別賞を受賞した際には、「(来季の)一番の目標は五輪出場」と語って、五輪出場へ並々ならぬ意欲を見せていた。

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