賞金女王に最も近い日本人プレーヤー、渡邉彩香が「目指す場所」

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 もちろん、そこから(パーを)拾うような技術を上げなければいけないこともわかっています。でも最初から、グリーンの真ん中を狙ったり、(グリーンから外れても寄せやすい場所を狙って)リカバリー率を上げることだけを考えたりするような、ゴルフはしたくないんです。(リカバリー率の)数字が悪くなっても、小さくまとまりたくない。ボギーを叩いても、バーディーやイーグルで取り返したい。ジュニアのときからそういうゴルフをしてきたので、自分の持ち味は大事にしていきたいんです」

 たとえ、出入りが激しいゴルフになっても、自分のスタイルを信じて戦う渡邉の姿勢からは、プロとしてのプライドが垣間見えた。そして、見る者をワクワクさせる、そんな豪快かつアグレッシブなゴルフで頂点に立ちたい、という強い意志が感じられた。

 いよいよ2016年シーズンの幕開けである。渡邉は毎年、目標を立てて、それを確実にクリアしてきた。今年、目指すものは何なのだろうか。

「国内のメジャー大会で優勝することです」

 渡邉は、きっぱりとそう言った。

「メジャー大会をひとつ勝てば、さらに自信になりますし、その先に賞金女王というのも見えてくると思うんです。賞金女王は、常に意識していますし、大きな目標ですから。コーチとは、それを目指しつつも『ひとつずつ(目標をクリアしていくこと)だね』という話をしています。

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